リスクマネジメント

大きなステージで共創価値(CSV)を実現

持続可能な開発目標(SDGs)との関わり

リスクマネジメント

レジリエントなビジネスの創造

CCBJHグループでは、中期経営計画「Vision 2030」の目標達成を支える経営基盤の一つとして、事業を取り巻くさまざまなリスクの把握と、その影響の低減に取り組んでいます。また、危機や混乱が発生した場合にも、事業を継続し、お客さまへのサービス提供を維持できるよう、ビジネスレジリエンスの強化を進めています。リスク管理プログラムは、主に全社的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)、危機管理(IMCR:Incident Management and Crisis Resolution)、事業継続管理(BCM:Business Continuity Management)、不正管理および保険で構成されています。
危機対応力の向上を目的とした、エグゼクティブリーダーシップチーム(ELT※)およびIMCRコアメンバー向けの研修のほか、社員向けに、リスク管理、インシデントの早期報告、自然災害やサイバー攻撃への対応などに関わる基礎を理解させるための研修を行い、全社的なレジリエンス強化に取り組んでいます。

※ELT(Executive Leadership Team):代表取締役社長を議長とし、各本部長を含めたCCBJIグループ全体のマネジメント組織

リスク管理体制とガバナンス

リスクガバナンスは、当社グループのビジネスレジリエンスを支える重要な基盤です。最高財務責任者、最高サステナビリティ責任者、最高リスク管理責任者は、それぞれが担当する領域におけるリスク管理に責任を持っています。最高リスク管理責任者は全社的なリスク管理の状況を定期的に確認し、四半期ごとに監査等委員会(ASC:Audit and Supervisory Committee)に、半年ごとに取締役会に、それぞれ報告し、監督を受けています。

スマートリスクのビジネスへの統合

3ラインモデル

当社グループでは、内部統制に3ラインモデルを採用しています。各ラインの役割と責任を明確にし、相互に連携することで、リスク管理および内部統制の実効性を確保しています。

第1ライン:各事業部門
各事業部門は、事業活動に伴うリスクを把握・評価し、必要な対応策を策定・実行するとともに、その対応状況を継続的に確認します。事業環境やリスクの変化をふまえ、必要に応じてリスクの評価や対応策を見直すことで、リスク管理の継続的な改善を図っています。
第2ライン:法務・リスク管理本部
法務・リスク管理本部は、倫理・コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスなどを担当する関係部門と協働し、リスク管理および内部統制の仕組みの整備・改善を行うとともに、各事業部門によるリスク管理を支援します。
第3ライン:内部監査部門および外部監査人
内部監査部門および外部監査人は、第1ラインおよび第2ラインから独立した立場で、年次監査および評価を実施し、必要に応じて改善提言を行います。

全社的リスク管理フレームワークとプロセス

当社グループでは、ISO 31000に準じた独自のERMフレームワークにより、全社的なリスク管理を行っています。
リスクの特定にあたっては年に一度、統括部長レベルへのヒアリングを通じて事業部門の視点でリスクを特定するとともに、ELTへのヒアリングを通じて経営視点でもリスクを特定し、抽出した内容をリスクレジスター(主要リスクの管理台帳)として整理しています。各事業部門は、オーナーとして割り当てられたリスクを監視し、四半期ごとに開催するリスク管理フォーラム(RMF:Risk Management Forum)において、事業環境の変化や新たなリスク、およびこれらへの対応策を共有しています。共有された内容を分析、評価し、リスクレジスターに反映するとともに、ELT、ASCおよび取締役会に報告しています。

ISO 31000に準じた全社的リスク管理プロセス

ERMプロセス図。①リスクの特定 → ②可能性の評価および③影響度を評価 → ④固有リスクの判定 → ⑤緩和策の評価 → ⑥残存リスクの判定 → ⑦許容範囲内の判定(「はい」は⑧指標の監視へ進み、「いいえ」は⑤緩和策の評価へ戻る)のフローと各解説

主要なリスク

当社グループにおける主要なリスクは、社内外データの分析に基づいて抽出されています。これらのリスクは、当社に影響を及ぼす可能性のあるすべてのリスクを網羅したものではありませんが、現時点では重要性が低いと評価されているものの、将来的に当社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があるリスクも含まれています。また、環境・社会が当社ビジネスにもたらすリスクと機会の特定を、サステナビリティの取り組みと連動して行っています。気候変動および自然関連リスクの部門横断的な管理を推進するとともに、TCFD提言およびTNFD提言を踏まえた情報開示や分析に取り組んでいます。

リスクカテゴリ 説明と潜在的な影響 主な緩和策
サイバーセキュリティとシステム 業務停止、システム障害やサイバーインシデントによる情報漏洩の発生
  • 消費者や顧客からの信頼失墜
  • 財務状況の悪化
  • システム障害による損傷を軽減するための対策
  • サイバー攻撃の予防的な脅威の特定とシミュレーションテストによるシステムセキュリティの向上と強化
  • 情報およびデータプライバシーの管理に関する法令の遵守
  • 社員トレーニングプログラムによる情報セキュリティに関わる社内規程の確立
人材(確保と維持) 業績不振、人口の高齢化、競争の激しい雇用環境により、十分な人材の確保、維持および育成、ならびに労働組合との建設的な関係を構築することが困難
  • 事業活動の停滞または停止
  • サプライチェーン業務の停滞または停止
  • 成長計画の未達
  • 戦略的な人材育成計画と給与体系の管理
  • 多様な人材基盤の採用と育成への取り組みの確保
  • 無人オペレーション、オンライン取引、出荷業務のアウトソーシング化
  • 職場環境の改善による社員満足度の向上
  • 経営陣と社員とのコミュニケーション強化
健康と安全 安全システムに関わるコンプライアンス、オーナーシップ、責任感または意識の欠如、メンタルヘルス問題、老朽化した機器の使用などによる深刻な健康または安全上の労働問題の発生
  • 死亡または重傷
  • 評判の低下
  • 起訴および/または罰金
熱中症対策について
  • ISO45001認証/内部監査戦略の継続
  • メンタルヘルス調査の継続実施
  • さまざまな安全対策の実施
  • 安全意識向上のための教育と研修
  • コカ・コーラシステムのベストプラクティスを活用するためのプログラムの改良
成長戦略 人材能力に起因する、競争優位性の向上と変革を通じた事業成長のための施策(事業統合、合弁事業、資本投資、プロジェクト管理など)の失敗
  • 減損損失による財務状況の悪化
  • 株主からの信頼喪失
  • さまざまな状況に柔軟かつ機動的に対応できる強固な体制の構築
  • 複数のシナリオを考慮した事業統合戦略の策定
  • プロジェクト管理や技術変革の実現に必要なスキルセットを確保する人材開発戦略
  • 取締役会および執行役員による監督
消費者マインドセットの変化 砂糖消費への懸念と健康意識の高まり、または価格設定による消費者の嗜好の変化
  • 消費者基盤の獲得または喪失
  • 消費者からの信頼獲得または喪失
  • 当社グループの事業に不利益を及ぼす課税
  • 製品イノベーションとポートフォリオ拡充に注力
  • 低カロリー・ノンカロリー製品の強化
  • パッケージサイズの多様化
  • 消費者参加型プログラムによる健康的なライフスタイルの推進
営業および競争環境の変化 市場環境の変化への効果的、効率的かつ機敏な対応が困難
  • 消費者基盤の獲得または喪失
  • 消費者からの信頼の獲得または喪失
  • 販売利益の減少
  • 販売可能なポートフォリオの減少
  • 小売業者のニーズを満たす製品を提供するため、製品ポートフォリオを強化し、生産性をさらに加速
  • 業務効率を向上させるために、Right Execution Daily(RED) を強化
  • インターネット通信販売の急増に対応するために、オンラインチャネルを拡大
  • テクノロジーの利点を活用するための人材開発戦略
製造、物流、インフラ 製造・物流業務の問題や天候・消費行動の変化などにより安定供給が阻害
  • 販売量と収益の減少
  • 顧客からの信頼喪失
  • 市場環境の変化に対応する柔軟な供給体制の構築
  • 繁忙期の需要増加に、より容易に対応できるようにするインフラ(製造ライン等)への投資
  • タイムリーな在庫状況の共有ができるシステムに強化
自然災害 地震や洪水などによる社員の死亡・負傷、生産・物流・販売業務のための施設の損傷
  • 事業活動の停滞または停止
  • サプライチェーン業務の停滞または停止
  • 販売機会の減少
  • 復元コストの発生
  • 継続性計画(BCP)と体系的かつ合理的な対応を可能とする危機対応能力の強化
  • 定期的な危機・災害対応訓練とシミュレーションによる対応能力の強化
  • 物流拠点の被災に備えた代替拠点の整備と輸送能力の確保
  • 地震保険の付保
持続可能性 気候変動リスクを含むステークホルダーの持続可能性に対する意識の変化に対応できない、またはステークホルダーや規制当局の要件に沿った持続可能性やESGトピックの報告が不十分
  • ステークホルダーの信頼と評判の低下
  • 気候変動分野における投資家活動の活発化
  • 財務への影響、気候変動に対する顧客の期待に応えられず、競合他社に顧客が流れた場合の売上減
  • サステナビリティ委員会におけるサステナビリティ計画と目標の検討、調整
  • CSV目標を達成し、持続可能な社会の発展に貢献
  • 再生PET樹脂の利用率向上、より軽量なパッケージの開発、使用済みPETボトルのより効果的な回収など、コカ・コーラシステムのイニシアティブの推進
  • ESG、TCFD、TNFDの報告要件に沿った積極的な対応
気候変動 気候変動による水や農産物などの原材料不足
  • 商品入手可能性と製品供給の減少
  • 生産コストの増加
  • 製品ポートフォリオの制限
  • 差別的な課税
  • 持続可能な調達への注力
  • ステークホルダーとの関与
  • 代替サプライヤーの確保と、パフォーマンスデータの活用によるサプライヤーの選定と管理の強化
  • 調達困難な原材料の購入量の調整、必要に応じて他の原材料への切替
品質と食品の安全性 製品関連の品質および食品安全に関する事故
  • 消費者からの信頼喪失
  • 製品回収や不良品の大量処理に伴う収益悪化
  • ペナルティによる販売機会の損失
  • サプライヤーの品質監査と品質認証
  • 製造から販売までの全工程における品質管理の意識
  • 消費者/顧客からのご指摘にタイムリーに対応をするための品質管理・報告態勢の強化
  • 品質/食品安全問題への迅速かつ効率的な対応を可能とする原因特定および対応策策定プログラムの強化
法令へのコンプライアンスと倫理 法令、社内規則、倫理行動規範に対する違反
  • 消費者・顧客からの信頼喪失
  • ブランドと評判の悪化
  • 罰則・罰金
  • 不正による経済的損失
  • 経営陣の強い姿勢、企業のふるまいに関する継続的なコミュニケーション
  • 倫理・コンプライアンス委員会の定期的な開催
  • 業務プロセスや組織構造、ITシステムの再構築による不正機会の低減
フランチャイズ関係 契約/関係の条件および更新、価格の集中、製品プロモーションのサポートに関して、商標所有者としてのザ ・ カンパニー(TCCC)および日本(CCJC)への依存度が高いこと、または関係の変化
  • 商標権の使用停止、製品開発力およびブランド力の低下による売上の減少
  • 原液価格上昇によるコスト増加
  • 販売サポートが減少した場合の販売促進費用の増加
  • TCCCおよびCCJCとの協力関係の維持・向上
コモディティコストの増加 為替レートの変動、原材料不足、商品価格の変動による調達コストの著しい増加による収益性への影響
  • コストベース増加
  • 製品供給量の低下
  • 製品ポートフォリオの制限
  • デリバティブ取引やヘッジの利用により、為替レートや商品価格の変動による影響を軽減
  • ・システム内での共同調達により低コストで原材料を調達

具体的な気候変動関連リスクとTCFDおよび自然関連リスクとTNFDへのアプローチは、こちらからご覧いただけます。

将来のリスク

当社グループでは、外部環境のモニタリングや社内におけるリスクに関する対話を通じて、現在および将来のリスク環境の変化を継続的に注視し、将来的に事業へ影響を及ぼす可能性のあるリスクについても情報収集と分析を行っています。また、当社グループが直面する可能性のある将来のリスクについて、環境や事業への影響の変化をふまえ、定期的に見直しています。当社グループが直面する可能性のある将来のリスクには、以下が含まれますが、これらに限定されるものではありません。

リスクカテゴリ 説明と潜在的な影響 主な緩和策
PFAS(有機フッ素化合物)
  • 汚染は飲料水源と製品品質への直接的脅威
  • 世界的な規制の強化と基準の厳格化
  • 汚染物質に敏感な消費者による評判リスク
  • 流通に関わる法的責任
  • 全水源における監視の強化
  • サプライヤーと連携したコンプライアンス強化
  • 水処理技術への投資
  • 国際的な規制・基準との整合性確保
  • 検査および対策努力の透明性ある開示
  • PFASシナリオの危機管理・リスク管理計画の策定
進化するAI技術の適正な利用
  • 当社事業に新たなAI技術の導入が遅れ、競争上の不利、非効率性、規制違反、またはレピュテーションの低下・毀損につながる恐れ
  • 戦略的リスク:市場シェア喪失
  • オペレーションリスク:需要予測・生産・品質管理の効率の相対的低下
  • 規制/レピュテーションリスク:規制への不適合、ステークホルダーからの否定的認識
  • AI開発動向および業界応用事例の継続的監視
  • 倫理、コンプライアンス、持続可能性の基準の策定と利用の監督
  • 効果的かつ責任ある導入を確保するための能力構築
地政学的な緊張の高まりと紛争
  • 紛争の規模は不透明ながら、断続的混乱を予期
  • バシー海峡等の海上輸送交通路の混乱
  • 輸送遅延、包装資材・原材料の入手制限、運賃・保険料、エネルギー・コモデティ価格の急騰
  • 在庫積み増しによる運転資金の増加
  • 市場アクセスとブランド認知への波及効果
  • ITシステムの混乱やデータ完全性を損なうサイバーインシデントリスクの高まり
  • サプライヤーの多様化
  • 重要資材の在庫積み増し及び戦略的予備品の確保
  • データのバックアップ及びサードパーティに関するセキュリティ監査の強化
  • コモディティ及び為替ヘッジ戦略の実施
  • 重大な混乱シナリオに対する緊急対応マニュアルの策定