コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスグループでは、①基本方針の策定およびリスク予防活動を審議・意思決定する「リスクマネジメント委員会」(常設)、②重大な問題事象・事故が発生した場合の危機管理対応の意思決定・指揮を行う「危機管理委員会」、③事業活動に重大な影響を及ぼす広域大規模災害が発生した場合に事業継続計画(BCP)発動の審議・意思決定を行う「災害対策本部」を整備しています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスグループ各社および各業務執行部門では、PDCAサイクルを回しリスク予防活動を実践しています。リスク所有者の自律的なコントロールを第一、各委員会の事務局を務めるERM※1担当部門のリスクモニタリングを第二、内部監査部門による保証を第三のディフェンスラインとしています。問題事象・事故が発生した場合、コカ・コーラシステム独自の危機管理プロセスである「IMCR」を通じ、情報収集と初期対応・解決策を協議し、必要に応じて代表取締役社長に危機管理委員会の招集を上申します。
※1 ERM:Enterprise Risk Managementの略で、企業運営上起こりうるあらゆるリスクに対して、組織全体で管理しようとする取り組み
※2 EP:エマージェンシープランニング
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスグループでは、ザ コカ・コーラ カンパニーの協力のもと、コカ・コーラ ヘレニック ボトリング社グループチーフリスクオフィサーのジェロルド・ナイト氏を講師として招聘し、日本コカ・コーラ、国内ボトラー各社のトップマネジメントが参加した「ERMグローバルワークショップ」を開催しました。コカ・コーラシステムは一体となって真摯かつ戦略的にリスクマネジメントに取り組んでいく重要性を認識しました。
2018年7月に西日本を中心に広い範囲を襲った集中豪雨は、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスグループ内でも多くの拠点に被害をもたらしました。当災害においてコカ・コーラ ボトラーズジャパングループは事業継続計画(BCP)を運用。主要業務の復旧に向けた体制を早期に構築し、関連部署との連携を図りながら、必要な経営資源の投入などを順次進めました。
記録的な大雨が降り続き、河川氾濫による浸水から本郷工場の製造設備と自動倉庫が操業停止となるなど、工場、倉庫、地域物流機能などへの影響が広がる中で、まず行ったのは陣頭指揮を執るための災害対策本部の設置です。同時に現地にも対策本部を設置し、翌日から人事本部、総務本部、SCM本部の各担当者が工場へ駐在し、社員の公私にわたる衣食住の面に即対応できる体制を整えました。自宅や車両に被害を受けた社員も多く、停電、断水が続いたために社員が出勤できる状況になるまでには1週間以上を要しましたが、7月下旬以降は酷暑の中、怪我や熱中症に細心の注意を払いながら社員一丸となって復旧作業を行いました。また、周辺地域の断水が長期にわたっていたため、タンク内に残っていた製造用の水や近隣工場から救援物資として届けられた水を近隣の方々へ配布したり、自衛隊の飲料用水の配給基地として場所を提供するなどの対応も行いました。
設備などの資産や在庫への被害、交通網の寸断などにともない製品供給、物流への影響も大きく、猛暑により需要が急増したことから欠品が相次ぐ事態となりました。お得意さまを訪問し、厳しい状況を説明してご理解いただくとともに、他の地域から製品を供給してもらうなどのサポート体制を整えました。