コーポレートブログ

コーポレートブログ

奨学金を未来のサステナビリティにつなげたいーー
コカ・コーラ ボトラーズジャパン給付型奨学金支援事業に込めた想い

2026年4月22日

「経済的な理由で進学をあきらめてほしくない」「サステナビリティに向き合う若者を、社会全体で支えたい」——そんな想いから、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは長年にわたり奨学支援事業に取り組んできました。

なぜ民間企業である当社が奨学支援事業に力を入れているのか。本記事では奨学支援事業の背景や目的、具体的な支援内容を紹介しつつ、取り組みを推進する水野ウィザースプーン 希(サステナビリティリレーション部 部長)、山口 辰也(サステナビリティリレーション1課)、小泉 奈々(同課)の3名に、次世代を担う若者たちへのメッセージを聞きました。

半世紀以上の歴史を持つコカ・コーラ ボトラーズジャパンの奨学支援事業

当社は公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団の支部として、社会を支える人材育成に貢献できるよう、大学や大学院への進学を目指す学生への給付型奨学金支援を続けています。

この取り組みの原点は1964(昭和39)年の東京オリンピックの時期にまでさかのぼります。当時の日本は経済成長の途上にありながら、大学進学率は20%に満たない状況でした。そのため、成績優秀であっても経済的な理由で進学を断念せざるを得ない学生も多く、彼らを支援する目的でこの取り組みは開始しました。

当社はコカ・コーラ教育・環境財団の支部として現在もこの事業に参画し、高い向上心を持ちながらも経済的な理由により大学進学が困難な高校生や、社会が取り組むべきサステナビリティ課題に強い関心を持ち、環境分野でより専門的な研究を行う大学院進学者を支援しています。なお、これまでの支援対象者は、1966年からの累計で2,500人以上になります。

当社が奨学金を給付する理由:日本のサステナビリティの未来を担う学生を支援するーそれが当社のサステナビリティにもつながるから

奨学金支援には公的制度も存在しますが、なぜ当社は民間企業としてこの取り組みに力を入れているのでしょうか。山口は「飲料を扱っているメーカーとしての使命」だと話します。

「当社はミッションとして『すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します』を掲げています。未来社会への想いを持つ若者を支援することは、このミッションに通じる取り組みです」(山口)

コカ・コーラ教育・環境財団の奨学金支援には、大学・大学院卒業後に当社への入社を条件とするなどの制約はありません。

「この取り組みにおいて、私たちは直接的な採用といった短期的な投資回収(ROI)を求めているわけではありません。ですが、社会貢献、つまり日本の次世代を担う世代からサステナビリティのリーダーを支援することで、日本全体のサステナビリティの底上げに寄与し、社会がより良くなっていく。こうした『善の循環』を創出することが、結果として当社の長期的な成長を支える基盤になると考えています」(水野)

奨学金支援の対象者と選考プロセス

この奨学支援事業に応募できるのは、大学進学を目指す高校生と、大学院進学を目指す大学生。高校生については、経済的な支援を必要としており、サステナビリティに興味を持っていることが条件で、通信制高校に在学している人も応募可能です。

大学生の場合は、大学院への進学を志望する26歳以下の人が対象。経済的な要件に加え、「PETボトルやプラスチックなどの飲料容器」「水」「温室効果ガス」「再生可能エネルギー」のいずれかをテーマにした論文による審査を行っています。サステナビリティの裾野は広いため、在籍中の学部は問いません。

支給する金額は、大学生が毎月2万円を卒業まで(6年制の場合は6年間)、大学院生が毎月4万円を卒業まで。山口は「大学院生は、研究に費やす時間が多く、アルバイトなどに時間が取れないこともあり、よりサポートを充実させています」と説明します。

例年、応募した高校生と大学生の中から大学進学者10名、大学院進学者6名を採用。小論文提出による一次審査と、面接による二次審査を経て採用者を決定しています。

「小論文はすべて私たちが目を通しています。論文を読んでいると、掘り下げ方にそれぞれの個性を感じます。PETボトルの原料に研究者的視点で興味を持つ人、技術を海外に広める政策的な視点を持つ人、企業目線で提案をしてくれる人など、多様な考え方に触れてきました」(山口)

その上で、一次審査を通過した人には面接を実施。高校生の場合は外部の面接官も加わり、グループ面接を行います。大学生の場合は論文の専門性が高いため、外部の専門家と社内担当者による2対1の面接を行い、前半では論文内容について踏み込んだ質問をします。さらに、本人の情熱の源や困難に直面した際の対処法など、人物像についても掘り下げます。

経済的な基準については、収入額などで一律の線を引くことはせず、世帯年収をスコア化し、優秀であるにも関わらず経済的に厳しい状況にある人が適切に選ばれるようにしています。なお、本事業に採用された場合も他の奨学金との併用が可能です。

奨学生同士のつながりを生む新たな取り組みも

2025年には、新たな奨学生を対象として、初めて「ウェルカムセレモニー」を実施しました。

「これまでは採用後、自動的に奨学金給付を開始していましたが、『ただお金が振り込まれるのではなく、はじめに想いを確認し合える場を設けたい』と考えていました。ウェルカムセレモニーはオンラインで実施し、学生に加えて財団の理事も参加。なぜ私たちが支援しているのかという想いを伝え、奨学生自身にも決意表明をしてもらいました」(小泉)

「ウェルカムセレモニー」に加え、時代にあわせた新しい試みとして、奨学生同士の横のつながりを生むため、現在受給中の奨学生を対象とした交流会も開催しました。この取り組みは小泉の発案によるもので、入社7年目という若手社員ならではの視点を生かした試みでした。東京や京都の当社工場見学、オンライン交流会などのプログラムを実施し、学年を超えた交流が生まれています。大学1年生が大学院生に質問するなど、この取り組みならではの関係性が築かれるようになっています。

未来に向けて「新たな価値を創造したい」と考えている人へ

長年にわたり続けてきた奨学支援事業。給付を終えた奨学生や保護者から、多くの手紙が当社に届きます。寄せられた手紙を一つひとつ読み、寄せられた想いを受け止めてきました。

「『無事に卒業できました』『奨学金があったからこそ目標としていた勉強ができました』といった言葉をいただき、この事業の意義を感じました」(山口)

選考の過程では、児童養護施設で育ち、操作に慣れない施設の端末からオンライン参加する学生もいました。

「選考プロセスを通じて、日本の次世代を取り巻く環境の多様さを目のあたりにしました。継続的な支援の必要性を改めて痛感し、背筋が伸びる思いでした」(水野)

取り組みを主導する3人は、未来を担う若者にどのような想いを寄せているのでしょうか。

山口は「毎月のサポート額そのものは、みなさんの志に比べればささやかなものかもしれませんが、あなたを支援する人がいることを知ってほしい。それが励みになればこの上なくうれしいです」と語ります。

「大学へ進んだ段階ではまだやりたいことが明確ではないかもしれません。それでも根気強く頑張ってほしいと思っています」(山口)

小泉は「経済的な理由で進学に悩んでいる方への選択肢として、当社の奨学支援事業をより広く知ってもらえたら」と期待します。

「私たちが重要テーマとして取り組んでいるサステナビリティというテーマに共感し、未来に向けて新たな価値を創造したいと考えている人に、ぜひチャレンジしてほしいです」(小泉)
さらに水野は、「ゆくゆくは本事業からサステナビリティ業界のユニコーンのようなリーダー人材が誕生してほしい」と夢を語りました。

「日本国内の企業においてサステナビリティを専任としている人材はまだまだ少ないのが現状です。だからこそこの取り組みが志ある若い世代の何かのきっかけになるのであれば、それは社会にとっても支援する私たちにとっても本当に価値があることだと感じます。そのためにも、奨学支援事業の火を絶やすことなく、限られたリソースの中でも、常に時代に合わせた最適な形へとアップグレードを続けていきたいです。未来をつくるみなさんに負けないよう、私たちも精一杯、歩みを進めていきたいと思っています。」(水野)

※記載された情報は、公開日現在のものです。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

関連記事