西日本豪雨災害の復興シンボルを目指し、新・広島工場が稼働開始!

コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、2018年7月の西日本豪雨による甚大な被害を受けた本郷工場に替わる工場として、同じ広島県三原市内に「新・広島工場」を新設。被災から約2年間の時を経て、2020年6月1日(月)より稼働を開始しました。

本郷工場と広島県三原市

本郷工場は、旧山陽コカ・コーラボトリングの主要工場として、1973年に広島県三原市にて竣工。以来、国内有数の製造能力を誇る工場として、多くの方に飲料を届けてきました。また、同工場に隣接する本郷自動倉庫は大型の自動倉庫で、商品の搬入から積み上げまでの一連の作業が自動化されており、物流業界における人手不足を補う省人化と生産性向上を実現する拠点として、本郷工場とともに、中国・四国エリアへの製品供給の中核を担っていました。

広島県南部に位置する三原市は、人口約10万人を擁し、空港や新幹線の停車駅のほか、港も有する、要衝の地。さらに縄文・弥生・古墳時代の遺跡が数多く残されているだけでなく、「三本の矢」の逸話にも登場する戦国武将・小早川隆景が発展の礎を築いた歴史深い場所でもあります。(三原市ホームページ

西日本豪雨により国内有数の製造能力を誇る工場と自動倉庫が機能停止

そんな三原市の中心を流れる沼田(ぬた)川が、西日本豪雨により氾濫。浸水被害は広範囲に及び、本郷工場も操業停止を余儀なくされました。災害時には、最大で2.5mもの高さまで水が入り込み、倉庫内の製品を乗せるパレットが流されるといった被害を受けました。

日本初!高層50mの自動倉庫を擁する本郷自動倉庫が復活

西日本豪雨の後、三原市は被害を受けたJR山陽本線を約2ヵ月で再開させるなど、復興に向け動き始めました。当社も地域の協力を得ながら、2020年4月27日には日本初となる高層50mの自動倉庫を擁する本郷自動倉庫を復旧させ、保管能力は被災前と同じ12,000パレットを確保して再稼働しました。

最新のIoT技術も導入された新・広島工場

工場は、本郷自動倉庫から南へ約4km離れた場所に新設。製造ラインの自動化と最新のIoT技術の導入により、かつての本郷工場よりさらなる生産性や工程管理の効率化が期待されています。また、新設となる広島工場は、当社において、えびの工場(宮崎県えびの市:2005年竣工)以来の新工場となります。

大小のペットボトル飲料に対応した製造ラインには、無菌充塡が可能な2本のアセプティックラインを新設(※)。1分間に900本の生産が可能となり、以前の本郷工場と比較すると生産能力は約1.5倍に増強されました。

アセプティックラインは、従来の充填プロセスに代わる無菌充填を特徴としており、この製法によりコーヒーやお茶など飲料本来の風味を味わっていただくことが出来ます。さらに、薄く・軽量なボトルを使用することができ、輸送時のCO2の排出量を削減するなど、環境にもやさしい製法です。

最後にはなりますが、広島工場の稼働開始にあたり当社の執行役員 SCM本部長であるブルース・ハーバートのコメントを紹介します。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
執行役員 SCM本部長 ブルース・ハーバートのコメント

「このたび2018年の浸水被害から本郷工場に替わる工場として広島工場を同じ三原市内に新設することができました。広島工場を新設するにあたって、災害リスクの軽減と製造能力増強の使命がありました。プロジェクトに参画いただき、ご尽力いただきましたみなさまへ、この場をお借りしまして感謝申し上げます。これにより4月に再稼働した本郷自動倉庫と合わせ、中国・四国エリアへ安定した製品を供給できるものと考えております。
私たちはこれからも、広島工場を通じてこれまで以上に広島の復興と発展に寄与していきたいと考えています。」