価値創造プロセスを通じて、社会との共創価値を実現
当社は、「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造する」というミッションのもと、日々の事業活動に取り組んでおります。近年、事業環境が激変するなか、その変化に機敏に対応しながら事業の成長を推し進めてまいりました。今後将来にわたって成長し続ける会社となるべく、当社ならではの価値創造プロセスを通じて、あらゆるステークホルダーのみなさまへ持続的に価値を提供し続け、社会との共創価値(CSV : Creating Shared Value)の実現を目指します。

当社独自の重点課題を特定
当社では2019年に具体的な非財務目標「CSV Goals」を定め、持続可能な事業と社会、そしてミッションの実現に向けて取り組みを進めています。「CSV Goals」の各項目の達成に向けては、バリューチェーン全体で取り組みを実施、進捗を確認し、着実に目標達成に歩みを進めています。
また、外部環境が大きく変化し、不透明かつ厳しい事業環境が続くなか、2023年に既存の重点課題を見直し、環境(Environment)社会(Social)ガバナンス(Governance)の3カテゴリーにわたる当社独自のマテリアリティを特定しました。それらを当社の価値創造プロセスに関連付けて、持続可能なサプライチェーン、容器&リサイクル(循環型社会)、気候変動の緩和・適応、水資源の保全、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)などの13のマテリアリティごとにステークホルダーと当社にとっての重要度をマッピングし、定義しています。
上記13のマテリアリティへの対応としては、経営陣をはじめ各部門のリーダーシップレベルの社員からなるサステナビリティ委員会を新設し、多様な議論を交わしています。社内に速やかにフィードバックを行う仕組みを導入し、課題について方針・戦略などを定める体制を強化しました。気候関連財務情報開示タスクフォース *¹に基づく情報開示や気候変動イニシアティブ*²への参画も積極的に推進しております。これらは当社のサステナビリティ活動を支える柱となっております。
また、マテリアリティの1つである容器&リサイクル(循環型社会)については、資源を有効活用するために、「ボトルtoボトル」*³や「CAN to CAN」*⁴など、さまざまな水平リサイクルの取り組みを実施しています。
*¹ 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD): 企業の気候変動への取り組みや財務上の情報開示を推奨する国際組織
*² 気候変動イニシアティブ: 気候変動対策に取り組む企業や自治体、NGOなどの情報発信や意見交換を強化するための国内のネットワーク
*³ ボトルtoボトル: 使用済みPETボトルを回収・リサイクル処理した上でPETボトルとして再生し、飲料の容器として用いること
*⁴ CAN to CAN: 使用済みアルミ缶を回収・リサイクル処理した上でアルミ缶として再生し、飲料の容器として用いること
このような当社の取り組みは外部からも高く評価いただいており、ESG投資の代表的指標「DJSI Asia Pacific」構成銘柄に7年連続で選定され、また国際的な非営利団体CDPが実施する2024年の「水セキュリティ」の調査において、最高評価の「水セキュリティAリスト」に認定されています。
人材戦略の強化により、人的資本経営を推進
当社は統合などを経てさまざまな価値観を持った人材、文化が共存する企業であり、それを強みとして捉え、多様性を活かしながら人材価値を最大化するための各種施策を実行しております。人材および組織力はビジネス基盤として重要視しており、変革を推進するリーダーに向けた「人材育成プログラム」をはじめ、学びの機会を積極的に提供し、組織全体の能力の向上を図っています。さらに、社員が能力を最大限に発揮できるよう、成果を重視した報酬制度の導入や各種表彰制度の整備を行っているほか、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の強化や多様な働き方の推進など、さまざまな施策に取り組んでおります。今後も「人材価値」をさらに向上させるために、積極的に人的資本経営を推進してまいります。
持続的な成長に向けた価値創造の歩み
当社は2028年までの中期経営計画「Vision 2028」を策定しました。この中期経営計画の目標を達成し、ビジネスを持続的に成長させていくための基盤をより強固なものとするために、今後もESG経営や人的資本経営にしっかりと取り組んでまいります。
これからもお客さま、株主さまをはじめとするあらゆるステークホルダーのみなさまのニーズにお応えすべく、高い品質基準を維持し、安全で信頼できる製品とサービスを提供し続けていきます。「すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造する」ことで、持続可能な成長・企業価値の向上に向けて前進してまいります。
代表取締役社長 最高経営責任者
カリン・ドラガン
サステナビリティ委員会の設置
当社は、2023年より、サステナビリティ委員会を新設し、「CSV Goals」をベースに、気候変動や生物多様性などのさまざまな課題について方針・戦略などを定める体制を強化しています。当委員会では、エグゼクティブリーダーシップチーム(ELT)のメンバーがサステナビリティ課題について議論を行い、決定した方向性や戦略を速やかに各部門へフィードバックすることにより、各部門におけるサステナビリティ活動の徹底と円滑化を図っています。また、取締役会でも気候変動領域や生物多様性の保全を含むサステナビリティ関連のリスク対策が重要だと考えており、経営方針を策定するにあたり、サステナビリティ委員会で議論されたリスク選定および成長性を考慮しています。
