私たちの取り組み
- 大切な資源を持続可能な形で有効活用していくため、継続的に改良・工夫を進め、環境保全に貢献していきます。
- CSV Goals
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※別途記載のない限り、基準年は2015年、目標年は2025年
水
- 200% 水源涵養率。工場近辺の水源、流域に注力
- 30% 水使用量削減(2030年までに)
- ポリシー
- 環境に関するポリシー
コカ・コーラシステムの考える水の循環
コカ・コーラシステムでは、工場で使用する源水を保全するために日本コカ・コーラが定める源水保全ガイドラインに沿って定期的に源水の脆弱性を評価し、源水保全計画を策定しています。そして同計画のもと、製造過程における水使用量の削減(Reduce)、製造過程で使用する水の再利用(Recycle)、水源域の水源涵養※(Replenish)を軸とした活動を展開しています。
私たちの工場では、「製造に使用した水」と「製品に使用した水」の大きく2つに分類しています。「製造に使用した水」は、製造工程において洗浄水や冷却水として使用した後に回収・処理を行い、循環利用します。その後、適正に処理した上で河川へ放流します。一方「製品に使用した水」は、植林、間伐、水田湛水、草原再生といった水源の保全活動を通じて水源涵養の能力を高め、豊富な地下水を育むことで自然へ還元しています。
※水源涵養:森林保全などを通じて、水源林の浸透機能を高めることにより、製品に使用した水量を自然に還元する取り組み

工場の取り組みと周辺流域での活動
「水使用量の30%削減」へ向けた工場の取り組み
工場では、最新技術を備えた製造ラインの導入、モニタリングによる製造プロセスや工場設備の改善を日々行い、使用する水の量の削減や使用した水の再利用に取り組んでいます。
「水源涵養率200%維持」へ向けた工場周辺流域での活動
工場で製品を製造する際に使用した水と同等量の水を自然に還元することを目的として、地域や自治体と協定を締結し、地域のみなさまとともに工場周辺流域が持続的に水を育み蓄える力「水源涵養力」を高める活動を推進しています。
この活動によって育まれた「水」は、長い年月を経て地下水となり、河川を通じて工場へ届き、製品の製造に使用する「水」として使用されます。

※2023年12月現在
工場水源域における水源保全を目的とした協定の締結
製造工場 | 協定水源地域 | 協定先 |
---|---|---|
蔵王工場 | 宮城県蔵王町 | 蔵王町、白石蔵王森林組合、円田生産森林組合 |
埼玉工場/ |
群馬県利根郡片品村 | 日本製紙株式会社、丸沼高原リゾート |
茨城工場 | 茨城県石岡市 | 石岡市、つくばね森林組合 |
多摩工場 | 東京都東久留米市 | 東京都、一般社団法人地域パートナーシップ支援センター |
東京都八王子市 | 八王子市 | |
山梨県丹波山村 | 丹波山村 | |
海老名工場 | 神奈川県厚木市 | 神奈川県、厚木市、厚木市森林組合、神奈川県県央地域県政総合センター、 神奈川県相模川左岸土地改良区 |
白州工場 | 山梨県北杜市 | 山梨県 |
東海工場 | 岐阜県恵那市 | 岐阜県、恵那市、中野方地域協議会、坂折棚田保存会 |
京都工場 | 京都府綴喜郡宇治田原町 | 公益社団法人京都モデルフォレスト協会、宇治田原町、京都府、 立川生産森林組合、宇治田原町森林組合 |
明石工場 | 兵庫県丹波篠山市 | 兵庫県、公益社団法人兵庫県緑化推進協会、丹波篠山市、 丹波篠山市畑財産区、公益財団法人兵庫丹波の森協会、ひょうご森林林業協働組合連合会 |
大山工場 | 鳥取県西伯郡伯耆町 | 鳥取県、伯耆町、鳥取日野森林組合、金屋谷地区 |
広島工場 | 広島県三原市 | 広島県、三原市、尾三地方森林組合 |
小松工場 | 愛媛県西条市 | いしづち森林組合 |
鳥栖工場/ |
佐賀県鳥栖市 | 九州森林管理局 |
佐賀県、鳥栖市、佐賀東部森林組合 | ||
佐賀県三養基郡基山町 | 佐賀県、基山町、佐賀東部森林組合 | |
熊本工場 | 熊本県阿蘇市 | 阿蘇市、公益財団法人阿蘇グリーンストック、水循環型営農推進協議会 |
えびの工場 | 宮崎県えびの市 | 宮崎県、西諸地区森林組合、麓共有林 |
パートナーとの協業事業
多摩工場周辺流域における持続可能な水資源保全の推進
2023年7月31日、当社と日本コカ・コーラ株式会社は、多摩工場(東京都東久留米市)周辺流域における水資源保全を目的とした、山梨県丹波山村および東京都八王子市との協定の締結(同年6月)について発表しました。丹波山村は山梨県北東部に位置し、多摩川の源流・丹波川が流れています。総面積の97%を山林が占めるこの村で、今後水資源保全を目的とした森林整備を行っていきます。八王子市は多摩川に注ぐ16の1級河川を有しています。良好な里山環境保全を目的に、特別緑地保全地区に指定された「上川の里」では、森林保全に加えて、休耕田などの湿地復元にも取り組んでいきます。
また、このたびの協定により、当社17工場すべての工場周辺流域における水源涵養率が100%を達成する見込みとなります。
水の取り組み

コカ・コーラ ボトラーズジャパンの工場では「製造に使用した水」の効率的使用や再利用に努めています。また、「製品に使用した水」は水源涵養を高める水資源保全活動を通じて、自然に還す取り組みを継続して行っています。

水資源保全について
すべての工場では、工場の水源エリアを特定し、水量や水質などに問題ないか科学的に調査しています。さらに水源エリアで持続的に水を育み蓄える力を持ち続けていけるよう、地域、専門家の方々と協力して水資源保全につとめています。

取水・水質管理について

コカ・コーラシステムの基準に適した水質を維持するために、汲み上げた水に異常がないか、すべての工場で念入りにチェック、安全な製品づくりの基本である水を原材料のひとつと考え、日々管理に取り組んでいます。
自然の恵みである水をムダにすることがないように、製品を製造するために使用する水の量を厳しく管理しています。工場敷地内の井戸から汲み上げる地下水は、量・質ともにコカ・コーラシステム独自の要件に従って監視し、日本の法律に基づいて適切に許可され管理されています。自治体の支援のもとで綿密に作成された計画に基づき、すべての工場で24時間、取水量を計測、監視し、定期的に自治体へ報告も行っています。
効率的活用について

水はお茶やコーヒーの抽出など製品そのものに使用されるほか、容器やラインの洗浄・殺菌工程などでも使用されます。当社では製造過程における水の使用量の管理を徹底するとともに、使用された水の循環利用も行っています。
水使用量削減の一例として、薬剤を使用しない電子線殺菌「エレクトロン・ビーム(Electron Beam)」システムを導入しています。空PETボトルの殺菌を薬剤を使用せず行うことで、新ラインでは、1日の水使用量が従来と比較して、約400トン削減できています。
また、一部の工場では、洗浄用の水や加熱用の水など、さまざまな工程で使用された水を、RO※膜という特殊なフィルターに通して不純物を取り除くプロセスにより、洗浄・加熱用等に再利用しています。水の効率を高め、毎年、少しでも水の量を減らしていけるよう、製造プロセスや工場設備を常に見直し、改善につなげています。
※ RO(Reverse Osmosis): 逆浸透の意味。水中の水分子だけを通過させて、イオン等の不純物を除去する浄水方法
排水管理について

二次処理 : 活性汚泥などの微生物による有機物の分解
三次処理 : 特殊なフィルターや凝集剤などによって沈殿させる処理
自治体が策定している流域循環計画の概要や条例、取水・排水規制、自然災害ハザードなど工場周辺の状況を把握し、コカ・コーラシステムの基準に適した取水・排水の水質を維持する活動を続けています。排水処理に関しては法定基準よりも厳格な自主基準を設定し、潜在的な水汚染を見逃さないよう、厳格に管理しています。また、水関連の環境関連法規である水質汚濁防止法などの法令遵守も徹底しています。
工場で使用された、容器や設備の洗浄水、冷却水などの排水は、適切に処理した後に下水道や河川に放流しています。下水道に放流する工場では、浮遊物の除去やpHの調整などを行い、法令や地域の水道局から要請された基準を満たした上で放流しています。河川に放流する工場では、工場敷地内で浄化し、国内法で定められた水質基準とコカ・コーラシステムの基準のより厳しいほうに従っています。
処理された水は一旦、工場敷地内の調整槽に蓄えられ、適正に処理される前に敷地外へ流れ出ないように、厳しく監視されています。
すべての工場で工場排水・冷却水・汚水を微生物を使用した活性汚泥法により二次処理浄化してします。広島工場では2020年に廃水プラントを導入し、特殊なフィルターなどでさらに三次処理した水を自然に戻しています。
水リスク評価について
コカ・コーラシステムの水リスク評価スキームでは、世界資源研究所(WRI)の AQUEDUCT※ を活用し、地理的に水ストレスの高いエリアを把握しています。また、地方自治体の公表しているハザードマップに基づき、洪水、土砂災害、地震などのリスクを特定しています。
科学的な調査を通じた工場ごとの水関連リスクを特定するフレームワークとして、コカ・コーラシステム独自の源水脆弱性評価(SVA: Source Vulnerability Assessment)を全工場で5年毎に実施し、水文学専門家の承認を得ています。SVAに合わせて、水管理計画(WMP: Water Management Plan)を策定し、経営層の承認を受けた上で水源保全の取り組みを計画的に実行しています。計画の進捗や効果に関しては、年1回評価しています。
水関連リスクは自治体による規制などの影響度や発生可能性などと合わせ、企業の水関連リスク評価(EWRA: Enterprise Water Risk Assessment)としてまとめ、リスクマネジメント委員会で報告されています。さらに、その土地固有の水リスクや脆弱性は詳細な検証結果を基に、リスク対応策を含む脆弱性評価(FAWVA: Facility Water Vulnerability Assessment)報告としてまとめられます。日本のコカ・コーラシステムとして持続可能な水資源保全、洪水による影響の低減、水使用の効率化などを中長期的戦略に活用しています。
外部評価

企業や自治体向けに環境情報開示システムを運営する、国際的な非営利団体CDPが実施する2023年度「水セキュリティ」の調査において、最高評価の「Aリスト」企業に選定されました。「水セキュリティ」では初めての「Aリスト」選定となりました。

2022年4月、水の持続可能性に関する方針と実施について、企業の発展・実践・情報開示を支援する水資源問題のグローバルプラットフォームである「The CEO Water Mandate」に署名しました。
AWS国際規格の取り組み
水資源の責任ある管理と利用の国際認証であるAWS規格(ウォーター・スチュワードシップ)の運用を通じて、地域の水資源の持続可能性への貢献を目指します