PROJECT STORY営業特集

リテール領域で
新たな拡販戦略を実行

「『コカ・コーラ』+ Xプロジェクト」で、
市場に新たな価値を提案する

リテール・フード部門では、カフェ、レストラン、居酒屋、バー、ホテルなどお得意さまにコカ・コーラ社製品を提案しています。当部門の特長は、製品そのものだけでなくアレンジしたメニューを提案できるため、お客さまのニーズにより幅広く応えられることです。私たちはそのニーズを把握するために、日々移り変わる消費者のトレンドや嗜好を掴んでおく必要があります。私たちが周囲を巻き込んでコカ・コーラ社製品に“あるもの”を加えた拡販戦略のプロジェクトをご紹介します。

01 新たな城を得たきっかけは、
産休・育休の経験

2018年4月、慣れ親しんだ池袋の営業拠点に、10か月ぶりに産休・育休から復帰したMさん。
産休と育休で過ごした日々の中で新たな視点が生まれ、仕事に活かすことができるのではないかと模索した、と話します。
「出産を控えて、大好きなお酒を飲めなくなった時に、今までは選ぶことの少なかったノンアルコールカクテルのメニューを見ると、アルコール飲料と比較し、選択肢が少ないということに気付きました。また、高価格帯であっても可愛くデコレーションされたドリンクが人気で売れていることに驚きました。SNSの普及も相まって、“映え”というムーブメントが流行を後押ししていたのだと思います。」
こうした気づきから、Mさんは「新しいやり方で製品にさらなる付加価値を付けられないか?」と考え始めました。そんな想いを抱えながら、お得意さまであるホテルを訪れたMさんは、バーである光景を見かけました。それは、カウンターに並ぶ、色も味もさまざまなシロップ。「このシロップをコカ・コーラ社製品と組み合わせ新しいメニューとして提案できれば、付加価値をつけられるのでは?」――。こうして、Mさんを起点に「『コカ・コーラ』+ Xプロジェクト」という提案活動が動き始めました。

02 「共創」が新メニュー開発の突破口に

Mさんが着目したのは、ノンアルコールのフレーバーシロップでした。社内の伝手を頼り、フレーバーシロップを扱う商社の担当者に連絡して構想を説明しました。同商社にとっても、自社の取扱商品の販売拡大につながることから、協力を快諾してくれました。
そして、あるレストランに提案するために、このフレーバーシロップを使用したオリジナルノンアルコールカクテルの試作に取り掛かりました。そのレストランは、おいしい料理とおしゃれな雰囲気が好評で、女性の常連客が多い店。そこにMさんは、今回の新たな試みが受け入れられる基盤があるのではないかと目をつけたのです。試作は、商社の担当者とディスカッションを重ねながら作り上げていきました。協働するうえで大切にしたのは、互いの知見を掛け合わせることです。豊富な種類のフレーバーシロップの中から何を選び、どんなドリンクをつくるのか、その方向性を決めるには、Mさんが持つお得意さまや消費者のトレンド情報と、商社が持つフレーバーシロップの知見の双方が不可欠でした。
その結果生まれたのが、混ぜると色が変わるフレーバーシロップを使った、見た目も華やかなカクテルでした。レストランのオーナーさまは、私たちの提案を面白いと受け入れ、実際に提供をスタートしました。このノンアルコールカクテルを多くの方々に喜んでいただき、「ドリンクの写真を撮るお客さまがたくさんいたよ! こんなことは今までになかったね」とオーナーさまからの好評を得ることができました。

03 メンバーと共に、さらなる可能性を追求

モクテルとは、「擬似」を意味する「Mock」と「Cocktail」を組み合わせた造語で、ノンアルコールカクテルです。この活動をさらに拡大・加速させるべく、Mさんは一緒に活動してくれる有志を募りました。業態もさまざまで、数も極めて多いリテール・フード部門のお得意さまへ、この提案方法を確立しノウハウとして蓄積していくには、多くの仲間が必要だと考えたからです。集まったメンバーと共に、フレーバーシロップの可能性をさらに広げるためのアイデア出しや提案書のひな形、メニューのデザインフォーマットの作成などを行いました。多様なメンバーが集まったことで、さまざまな視点からの意見を聞くことができ、提案活動も幅を広げさらに加速していきました。
Mさんが次に動き出したのは、あるホテルグループへの提案でした。コカ・コーラ ボトラーズジャパンが提供する製品の中で、発注数や収益が一番大きいのは、モーニングやランチでの需要が高い「コーヒー」です。しかし、同ホテルグループは長年に亘り専業メーカーと契約しており、入り込む余地がない状態でした。Mさんは、「まず何を提案すべきか――。」と考え、モーニングやランチに比べ、ディナーの集客に課題を抱えているというお得意さまの声を聞いたことから、ターゲットの時間帯をディナーに定め、フレーバーシロップを使用したカクテルを提案しました。

04 取り組みの連鎖が
新たな付加価値を創出

提案したのは、自分で自由にシロップを組み合わせてオリジナルカクテルをつくれるようにバーカウンターで展開することと、自作のオリジナルカクテルの写真をハッシュタグ付きでSNSにアップするとお会計が割引になるというキャンペーンでした。この仕掛けで、以前に比べ集客が2割増加しただけでなく予想以上にSNSで拡散され、大きな反響を呼びました。さらに、この取り組みが同ホテル内で評価されたことで、当社のコーヒー製品が採用され、画期的な成果につながりました。
また、徐々にプロジェクトチームから、フレーバーシロップを掛け合わせた事例が挙がってくるようになりました。映画館で「コカ・コーラ」+「ポップコーンフレーバー」のドリンクを提案した事例もありました。現在では、個人のアイデアを活かしたユニークな提案事例とその成果が続々と報告されています。こうした取り組みの連鎖の大本にあったのは、Mさんの「これまでにない売り方を確立したい」という想いでした。自社製品やブランドに対する誇りを持ちつつも、それをもっと多くの人にお届けしたい、喜んでもらいたいと考えて取り組んだ「『コカ・コーラ』+ Xプロジェクト」。これからも、画期的な取り組みを実施し、新たな事例に派生させていきながら、まだ見ぬ付加価値をみなさまに届け続けていきます。

PROJECT MEMBER

Mizuka.M

営業本部
セールスエグゼキューション統括部
リテールフード営業担当