コーポレートブログ

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ビジネスレジリエンス―すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造するために

2023年8月30日

当社では、さまざまな専門分野の知識・経験を生かしたメンバーが活躍しています。コカ·コーラシステムで24年のキャリアを持ち、現在は当社のCRO(Chief Risk Officer)・リスクマネジメントシニアグループ統括部長であるジェロルド・ナイトもそのひとりです。働きながらビジネス・危機管理の博士号を取得し、2023年5月には、オーストラレーシア・リスクマネジメント協会(The Risk Management Institute of Australasia)の「2022年リスクリーダー・オブ・ザ・イヤー(アジア地域)」を受賞しました。ナイトの当社での取り組みにかける想いについて聞きました。

■ すべての社員がリスクマネージャー

オーストラリア出身のナイトは、警察官やオーストラリア連邦政府の警備チームなどを15年間務めたのち、民間企業に移りました。コカ·コーラシステムでのキャリアは24年ほどで、コカ·コーラ社側、ボトラー社側両方でのビジネスを経験しています。

「私はボトラー社が大好きです。というのも、私たちの仕事は、お得意様やお客さまに製品を効率よく届け、私たちのブランドで幸せなひとときを過ごしてもらうことだからです」(ナイト、以下同)

ナイトは、ビジネスレジリエンスの専門家です。レジリエンスとは、困難をしなやかに乗り越えて回復することを指します。そのため、自身でもスリリングなアクティビティが好きだと言います。「オートバイでの疾走やスキューバダイビング、スキーなどを楽しむ裏側にもリスクマネジメントがある」と述べました。また、アクティブな活動の一方で、学習者としての意欲も旺盛で、フルタイムで勤務しながら博士号を取得しています。

「常に学ばなければリーダーとして成長しているとは言えません。私たちはアジャイル(機敏)で革新的でなければならないのです」

2021年から当社のCROを務めるナイトは、その業務について「我々が強靭なビジネスになるようにすること」と述べました。強靭な組織になるには、事業の目標達成を妨げるリスク環境をとらえながら、成長の機会を見出す必要があるのです。リスク、危機管理、事業継続、保険といった機能は異なる領域にあるものですが、ナイトはCROとしてそれらを総合的にマネジメントしています。

「私自身はリスクの所有者でなく、リスク管理のプロセスの責任を担っています。なぜなら、私たちすべての社員がリスクマネージャーだからです。私は社員にリスク管理のツールや意識、知識を与えることや、事業成長のチャンスを見出すこともできます」

社員が正しくリスクに対応する文化を醸成させることで、組織全体でリスク状況の把握と対応能力を発揮し、より強靭になるというのです。

■ リスクマネジメントの重要な仕事は、社員教育

「リスクは急速に変化する可能性があり、常に進化している」とナイトは言います。サイバー攻撃や、気候変動による災害などによって生産や供給活動に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。高齢化社会によって健康志向のお客さまが増えれば、製品の需要も変化していきます。労働力不足によって、自動販売機への製品の入れ替えや配送などの社員が不足する事態も考慮しなければなりません。ロシア・ウクライナ紛争のような地政学的な出来事によってビジネスが影響を受けることもあります。私たちは現在と将来にわたるリスクを常に警戒しなければならないのです。

ナイトが率いるリスクマネジメントシニアグループでは、リスクとチャンス、そして事業継続や危機管理といった要素に目を向けています。また、リスクと保険は密接な関係にあるため、保険会社との協力を通じて一部の財務リスク管理に取り組んでいます。

リスク管理における重点項目のひとつが、社員の教育です。2022年は、トップ100人のリーダーを対象に、基本的なリスク管理トレーにングを実施しました。さらに上級リーダーから成る「リスク管理フォーラム」を設立し、現状のリスクや新たなリスク、そして将来のリスクを積極的に議論しています。そこに、サスティナビリティーや保険など、異なる分野の専門家を招き、外部環境の変化などについての教育も行っています。

そして現在は、全社員を対象にした、オンラインの研修プログラムを展開しようとしています。「インタラクティブな学習は重要です。オンライン教材は、読んで質問に答えるだけというものが多いですが、それでは退屈で、学習が身に付かないと思っています」

■ リスクの理解によって、お客さまに最高の瞬間を届けられる

当社がリスクマネジメントを行うことは、製品をお届けするお得意様やお客さまにどのような影響があるのでしょうか。ナイトは「私たちは、ビジネス環境を理解し、製品を確実にお客さまに届けられるよう、効果的に働く必要があります。たとえ災害が発生したときでも、お客さまは、製品が手に入ることを期待します。リスクマネジメントによって、何が私たちのビジネスを止める可能性があるかを理解することで、お客さまに幸せの瞬間を確実に届けることができるのです」と語りました。

また事業成長とリスクの関係性について、「スマートにリスクをとりながらも、ビジネスを継続的に成長させることも重要です。そのために確実に実行しなければならないことがあり、そのひとつが、法や規制に反することを絶対にしないということ」だとナイトは言いました。

ナイトはそれを「悪いリスク」と呼びます。「自分たちがものにしたいチャンスを理解し、そのために複数のプランを用意しておくことも重要です」と話しました。

さらにナイトは、組織には失敗に対して寛容な文化も必要だとし、「もし何かを試してうまくいかなかったとしても、失敗から学び、成長し続けるのであれば、失敗してもかまいません。最終的な利益は、お客さまが期待する方法で最高の品質の製品を確実に提供することなのです」と語りました。

■ 多様な人財が行き交う組織にはさまざまな成長機会がある

ナイトは、オーストラレーシア・リスクマネジメント協会(The Risk Management Institute of Australasia)の「2022年リスクリーダー・オブ・ザ・イヤー(アジア地域)」の受賞について「私は日本におけるこの大きな組織と私のチームを代表して、受賞をとても誇りに思っています。なぜなら、組織全体を通してのリーダーシップとトップの関与のおかげで、このような表彰を受けることができたからです」と語りました。

当社にはナイトのように、さまざまな分野の経験・スキルを持ったプロフェッショナルが活躍しています。そして、多くの文化背景を持つ、多様な才能が集まっています。その文化についてナイトは「私たちは多くの国や文化からなる多様な才能を持っています。それによって、異なる文化やボトラー社、さまざまなビジネス分野からの視点を共有できます。これらのスキルと多様性を活用することが、ビジネスの成長に重要だと考えています」と話しました。

当社では、多様性の観点からも英語の学習を奨励していることをナイトは説明しました。コカ·コーラシステムはグローバルに展開している組織であり、当社以外の関係会社と交流し、成長する機会に恵まれる可能性があります。こうした学びにはコミュニケーションが極めて重要だからです。

「コカ·コーラシステムの魅力のひとつは、多くの異動の機会があることです。たとえば、セールスパーソンから人事担当にチャレンジしたい人もいるでしょう。学ぶことを奨励しているので、学びながら成長し、キャリアを変えることができます。サプライチェーンマネージャーが営業に転向して成功した例も見てきました。重要なのは自分のキャリアパスを描き、どの役割でも学びたいという欲望があることです」とナイトは話します。

「もう学んでいないと思ったら、それは何かを変える日だと思います。私自身、毎日何か新しいことを学び、活用しています」

■ 他の企業の手本となる、日本を代表するビジネスレジリエンス組織を目指す

ナイトの今後の目標は、ビジネスレジリエンスを当社だけでなく、ほかのグループ企業を含む関連会社にも深く浸透させていくことだとしています。

「私はコカ·コーラ社の組織に長く在籍し、キャリアは後期に差し掛かっています。私の役割は、グローバルなベストプラクティスをモニタリングし、それらのベストプラクティスを実装して、日本のビジネスレジリエンスを次のレベルに引き上げることです。それがレガシーとなるでしょう」

ナイトは当社の代表取締役社長 最高経営責任者であるカリン・ドラガンとの会話を通じて、コカ·コーラシステム全体でリスク管理の模範となる企業になるというビジョンを明確にしました。当社から他の企業が学ぶことのできる、ビジネスレジリエンスのリーダーとなることを目指しているのです。

そして、あらためて当社のメンバー全員がリスクマネージャーであるとし、次のようにコメントしました。

「私たちは皆、リスクを管理し、ビジネスの成長に貢献する方法を見つける責任があります。もし機会を見つけたら、アジャイルで革新的なアプローチでそれを活用し、ビジネスを成長させましょう。また、全ての従業員に対して、リスク管理やスマートなリスクを学ぶことを奨励します。私たちはナンバーワンのブランドであり、私たちの製品をお客さまが楽しめるように、全力で取り組みましょう」

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