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立ちはだかる製造と検証両立の難しさ
工場のメンバーが一丸となって協力
上司や社内のメンバーに相談しながら新しい手順のパターンをいくつか検討した後、実際に検証をする段階になって2人を悩ませたのは、どの製品の製造後に新しい洗浄手順の検証を行うかということでした。
例えば、コーヒー製品だけでも砂糖、ミルクの有無やフレーバーの違いなど10種類以上にもなります。プロジェクトリーダーは上司からのアドバイスを参考に、製造後、最も製品液が残りやすく、香りの強い製品を選び、その製品の製造後に新しい洗浄手順を試して問題がなければ、他の製品にも対応できるだろうと考え、具体的な検証計画を立て始めました。新しい手順の安全性や確実性を実証するのに必要な検証回数や洗浄前の生産量などを検討していくのですが、洗浄工程の検証は、該当製品を製造した後にしか実施できません。そのため工場内の生産計画担当者や、製造ラインの担当者などあらゆる関係者からの協力を仰ぎ、通常の製造活動の妨げにならないよう調整しながら検証を行う必要がありました。
実際に検証を始めたのが2月で、成果が見え始めたのが4月、当時は焦る気持ちを抱えながら様々な洗浄手法を試し、データを分析し続けたといいます。「出荷する製品を製造している設備で実験を行う以上、当然ながら、新しい手法での洗浄に加えて、既存の洗浄も実施しなければならず、検証中は2倍の作業量と時間を使う事になりました。工場のメンバーには本当にたくさんの協力をしてもらいました」とプロジェクトリーダーは振り返ります。