コーポレートブログ

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パラアスリート・政成晴輝が登壇 障がい者雇用の意義を考える「Disability Weekイベント」開催レポート

2024年1月30日

当社は2023年12月4日〜8日のDisability Week(障がい者週間)にちなみ、障がいのある社員の活躍や、彼らを支援する取り組みについて紹介する社内イベントを実施しました。

12月6日に六本木オフィスで開催されたイベントには、パリ2024パラリンピック競技大会出場を目指す当社所属のパラアスリート・政成晴輝(まさなり はるき)も登壇。視覚障がい者を取り巻く現状や新たなキャリアを切り拓いてきた歩み、そしてアスリートとしての今後の抱負を語ってくれました。

■ 障がい者雇用推進は企業の成長につながる

イベントの冒頭では、障がい者雇用の企画立案を担うピープルエクスペリエンス&リレーション統括部 人材開発部 DE&I課より、当社が障がい者雇用を推進する背景を説明しました。

「『すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します』というミッションを掲げる当社では、働く環境においても多様な価値観を持つ個々人が互いを尊重し、ともに価値を発揮することを重視してきました。

そのため、性別や国籍、性的志向、性自認または性別表現などに関わらず、すべての社員が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。障がいの有無もこうした属性の一つです」(DE&I課 担当者)

障がいのある人に強みを生かして働いてもらうためには、職場における合理的配慮が欠かせません。では「合理的配慮」とは何なのでしょうか。

「全員に対して同じ踏み台を用意すれば、平等な環境は作れます。しかしこれでは、背の高さによって見える景色が違うため、公平・公正とは言えません。

公平・公正性を保つためには、背の高さに合わせて別の踏み台を用意し、目線の高さを合わせられるようにする配慮が必要です。合理的配慮が行われ公平さが保証されてからこそ、初めて平等な環境が得られます。こうして私たちもすべての人に公平な職場環境を作っていかなければならないと考えています」(DE&I課 担当者)

障がい者雇用を推進し、すべての人に公平な職場環境を作る過程では、業務の見直しや最適化も必要になります。従来の業務手順を新しい視点で見直すことにより、部門業務全体の効率化にもつながるのだと担当者は話します。

また、活躍できる人材が多様化することで職場には新たな視点がもたらされます。多様性を重視し、互いを尊重する組織へと変わっていくことは、企業の生産性向上にも寄与するのです。

■ 多様な人材が活躍できる「合理的配慮」の実例

続いて、当社グループの特例子会社であるコカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィットの小崎健次郎が障がい者雇用状況について紹介しました。

コカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィット株式会社 小崎健次郎

2023年12月現在、グループ全体では295名の障がいのあるメンバーが働いています。そのうち特例子会社であるコカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィットには知的障がいを中心に30名が所属。埼玉・大阪・福岡の3拠点で、ランドリー業務や事務補助業務などにあたっています。

「特に埼玉の桶川オフィスにはオペレーション業務が集中しており、個々の特性と業務のマッチングを最優先に障がい者メンバーの担当業務を増やしているところです。

障がい者メンバーに働いてもらう上で大切なのは、自分との違いを理解し、最適な労働環境を整えること、また、個々の特性に合わせた業務の切り出しをすることで、障がい者メンバーが大きな戦力となってくれています」(小崎)

また一例として桶川オフィスでは、段差の解消や手すり設置などの物理的なサポートに加え、知的障がい者向けに掲示物を色分けしたり、数字を数えるための補助ツールを用いたりといった合理的配慮もしております。

実際に桶川オフィスで行われている工夫

これらに加え、心理的なサポートも重視してきました。

「社内ではジョブコーチ(企業在籍型職場適応援助者)や障がい者職業生活相談員認定スタッフが障がい者メンバーと定期面談を行い、働きやすい環境を提供するとともに社外では家庭や近隣就労移行施設とも連携し、多角的な支援を行っております」(小崎)

■ 「突発性の病気でキャッチボールさえできない毎日」。政成がパラアスリートの道へ進むまで

ここからは、やり投げで活躍する当社所属のパラアスリート・政成晴輝が登壇。視覚障がい者となった経緯や、競技との出会いについて語りました。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン所属のパラアスリート、政成 晴輝

幼い頃から活発な性格で、小学校から高校まで10年間を野球少年として過ごしていた政成。中学時代は硬式野球のクラブチームに所属して野球漬けの日々を過ごし、甲子園出場を夢見ていたといいます。15歳になるとスポーツ推薦で強豪校への進学も決定。しかし、そのさなか「レーベル遺伝性視神経症」を発症することになります。

「中学3年生の冬、ほんの少しだけ教科書や黒板の文字が見えにくくなっていることに気づいたんです。見えづらさは徐々に拡大し、受診したところ、下された診断結果がレーベル遺伝性視神経症でした。

突発的に現れる病気で、見たいところが見づらくなる『中心暗点』という症状のほか、急激な視力低下も見られ、15歳まで2.0だった視力が2カ月で0.02まで一気に落ちてしまいました」(政成)

これまでに聞いたこともない病名を告げられ、野球の練習に参加してもボールが見えない。不安に追いやられる中、進学先に決まっていた高校の野球部監督からは「野球は9人だけでやるスポーツじゃない。ぜひできることで貢献してほしい」と言われ、野球を続けることを決断します。

政成がレクチャーした、レーベル遺伝性視神経症の見え方。白濁した中央部分には信号機がある

とはいえ入学後は、プレーどころかキャッチボールさえできない毎日。同級生が活躍する中で自分には何もできない現実が重くのしかかり、暮らしていた寮の消灯後に1人で泣いたこともあったと言います。

そんな政成に転機が訪れたのは高校2年生の春。監督にノックを打ってみたいかと言われ挑戦。1日何千球と打ち続け、3年生になる頃には、思い通りの方向へ自在に打てるようになっていました。3年生の最後の夏には、応援団長として学校関係者約1000人の先頭に立つ経験も。県大会を勝ち進み、結果的にチームは甲子園出場を果たします。政成はそこで大きな成功体験を得ることができたと話します。

部活を引退した3年生の秋には、大阪で開催されたパラアスリート発掘イベントに参加。さまざまな競技を経験し、政成はやり投げとの運命的な出会いを果たしました。

「もともとピッチャーだったこともあり、自分が思っていた以上にやりが遠くへ飛んだんです。未経験ながらも競技への興味が一気にふくらみ、『やり投げで世界的に活躍するアスリートになる』という新しい目標を掲げました」(政成)

高校卒業後は視覚支援学校を経て2019年にコカ・コーラ ボトラーズジャパンに入社。現在はパリ2024パラリンピック競技大会出場を目標に、仕事とトレーニングを両立する日々を送っています。

■ アスリートとして活躍し、すべての人にハッピーを届けたい

続いてはDE&I課の林真伸も加わり、Q&A形式でパラアスリート・政成を深掘りしました。

Q. コカ・コーラ ボトラーズジャパンに入社したきっかけについて教えてください。

「当時は2020年のパラリンピック東京大会前ということもあり、この大会に出ることを目標として就職先を探していました。そんな中、ある記事を読んでコカ・コーラ ボトラーズジャパンのパラアスリートが活躍していることを知り、直感的に『自分もここへ行きたい』と思ったのがきっかけです」(政成)

Q. アスリートとしてモチベーションをコントロールする秘訣や、大切にしているルーティンはありますか?

「私は、たくさんの方の支えで競技に向き合えています。競技で結果を出し、お世話になっているみなさんに恩返しをしたいという思いが原動力になっています。

ルーティンは、あまりこだわらないことが私のルーティンです。『試合前に生ものを食べない』などの決まりがあるものの、それ以外の部分は基本的に自然体で過ごし、リラックスして競技に臨むようにしています」(政成)

Q. パリ2024パラリンピック競技大会が目前に迫ってきました。意気込みを教えてください。

「ここからの半年をどう過ごすかにかかっているので、無駄な時間を過ごさないよう日々頑張っていきたいです。パリ大会の他にも、2024年には神戸で「神戸 2024 世界パラ陸上競技選手権大会」が開催されます。この大会にも出場して、メダルを獲得したいと思っています」(政成)

最後に政成は、共に働く仲間たち、応援してくれている方々への感謝の言葉で締めくくりました。

「日頃より私のアスリート活動を支えていただき感謝しています。自分自身に、そしてすべての人にハッピーを届けられるよう、パリ大会でメダルを取れるように頑張ります」(政成)

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